株式会社アルムの開発現場に、Forkwell Jobsが潜入取材!

「医療×IT」で世界のスタンダードに - 躍進するアルムの挑戦

  • 2015-08-24 公開
  • 取材・執筆:高橋美津

2001年にITサービス企業として創業したアルム(旧名スキルアップジャパン)は近年、医療・介護業界向けのサービスを事業の中核に据え、多様なコミュニケーションサービスの提供で実績を上げている。同社が医療・介護業界向けサービス事業への参入を進めた理由や、そこでの同社の強み、エンジニアに求められる役割について、メディカルICT事業部開発グループマネージャーの藤村岳氏(写真左)と、同リーダー兼プロジェクトマネージャーの福栄晟氏(写真右)に聞いた。

医療のIT化で着目したのは、現場間の「コミュニケーション」と「情報共有」

 アルムが手がける医療・介護分野のサービス、アプリは幅広い。現場で業務に従事する人々に向けたものとしては、医療関係者間向けコミュニケーションツール「Join」のほか、「Kaigo」や「Kango」といった訪問介護、看護現場向けのサービスがある。

一般的に「医療のIT化」という場合、「電子カルテ」や「レセプト」といった大規模な、いわば「基幹系」にあたる部分を最初に思い浮かべる人も多いのではないだろうか。しかし、アルムが着目したのは、主にそれ以外の「コミュケーション」や「情報共有」といった部分だ。いずれのサービスも、従来は紙の書類ベースで管理されていた患者や利用者に関する情報を、クラウドとスマートデバイス(スマートフォン、タブレット)による管理に置きかえ、同じ病院や事業所の中だけでなく、地域レベルでの情報共有を効率的に行うための仕組みである。

 医療関係者間向けコミュニケーションツール「Join」には、レントゲンやCT、MRIなどの医療画像の共有をベースにしたチャットツールでのコミュニケーション機能のほか、手術室や集中治療室にいる患者の様子を、医師に対してリアルタイムに動画配信する機能も用意されている。これらには、アルムが従来から手がけてきた「ストリーミング動画配信」や「リアルタイムチャット」システムの構築、運用ノウハウが活きているという。

 アルムは創業以来、企業を直接のクライアントとして、主にインターネット上でBtoCのサービスを提供するITシステムの構築を手がけてきた。フィーチャーフォン向けサイト、ECサイト、ビデオチャット、ストリーミング動画配信システム、SNSサイトなど、数多くの実績がある。同社の提供する医療、看護業界向けサービスは、これらによって蓄積されたノウハウと技術資産をベースとして開発されているのだ。

「技術面でも、Joinにはさまざまな要素が含まれています。モバイルアプリの開発技術に加え、Webアプリ構築の技術、ストリーミング動画配信の技術、ネットワークや医療画像処理など病院内のシステムとの連携技術が含まれます。これらのスキルを個別に持っている会社は他にも多くあると思いますが、これらをすべて統合して、実際に使えるサービスを作れるノウハウと技術力を持っているというのが、アルムの強みだと思っています」(福栄氏)

「近年、モバイルデバイスが急速に普及したり、医療・介護のIT化に関する国家的な取り組みが本格化していく動きもあり、それに呼応するようにこの分野への参入をスタートさせました。ここ数年で、われわれが得意としてきたインターネットやモバイルの技術を活用した医療・介護分野への貢献が実現可能になっていると感じています。現場の医療・介護従事者の方々をはじめ業界全体の中にも、医療・介護のIT化に大きな可能性と強い関心を持って協力してくださる方が大勢いらっしゃいます。そうした方々から、多くのアドバイスをいただいて、開発に活かせている点も、アルムの強みだと思います」(藤村氏)

「医療・介護業界未経験者」を中心に多様な技術を統合したサービス開発

 現在、同社ではひとつの医療・介護系プロダクトあたり、約10名の体制でサービスの開発に臨んでいる。iOS、Android向けのアプリ開発を行う人員や、現場での意見をヒアリングし、製品全体の方向性をとりまとめるプロダクトマネージャーなど様々だ。医療・介護系プロダクトに関わっているエンジニアは、兼任も含めて全体で30~40人ほどになる。

 同社のエンジニアには、新卒入社や若い時点で転職してきたWeb系サービスの開発経験を持つ人が多いという。

 現在、同社で「Join」の開発を統括している福栄氏も、2010年4月に新卒で入社し、入社後にエンジニアとしてのキャリアを積んできた一人だ。入社以前は、生命理工学研究科の大学院で、人工臓器や遺伝子などの研究を行っていた。学生時代にネットベンチャーでのインターン経験はあったものの、いわゆる「システム開発」とは縁の薄い研究が専門だったという。

「一般的に、生命理工学研究科の大学院を出た後には、製薬会社などのメーカーに入って研究職に就く学生が多いです。人の命に関わる薬の研究開発は、当然のことながら、ひとつのプロジェクトが市場に出るまで、場合によっては十数年単位と、非常に長くなります。でも、ネットベンチャーでインターンをした経験などから、自分には、ひとつひとつのプロジェクトのサイクルが短いほうが、合っているのではないかと感じるようになっていました。また、元々海外での仕事に興味があったのですが、就職活動を行っている時期が、ちょうどアルムが海外に向けた事業展開を強化し始めた時期でもあり、新卒入社の社員にも、海外で仕事をしていくことを求めていたということもあって、入社を決めました」(福栄氏)

 福栄氏は当初、医療学術コミュニティサイトの立ち上げに関わり、現在は「Join」のプロダクトマネージャーをしている。

「当社のエンジニアは、医療・介護業界向けシステムの経験はなかった方がほとんどです。医療関連データを扱うシステムに関わる際には、特別な経験やスキルがあったほうが有利だと思われる方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。例えばセキュリティに関しては、ECサイトの顧客データ、クレジットカードのデータを扱うシステムを作る場合などでも高いレベルのセキュリティが求められるのが普通です。その点では、インターネット上のBtoCのサービスも、医療・介護業界向けのシステムも同じなのです」(藤村氏)

「医療・介護業界にインパクトを与え、スタンダードとなるプロダクトを作りたい」

アルムの企業としての特色について、福栄氏は「何ごとも、とりあえずやってみようというカルチャーがある会社ではないでしょうか」と話す。

「あるものを作ろうというときに、始める前からさまざまなことを考えてしまって、なかなか進められない…ということはあまりない会社です。まずは作り始めて、問題があれば、その都度修正しながら進めていくというケースが多いですね。『フットワークが軽い』ある意味では『楽観的』な社風だと思います(笑)。プロダクトにはさまざまな技術が使われていますが、入社前からそのすべてを網羅的に理解しているエンジニアは少ないと思います。むしろ、入社した後に、自分のこれまでのスキルセットにない、新しいものについて学んでいきたいと思える人。さらに、目の前にあるビジネス上の課題に対して、技術的な視点で解決策を考え、提案できる人であれば、十分に実力を発揮できる職場だと思います」(福栄氏)

また、藤村氏は「エンジニアとしての『楽しさ』を感じたい人」にとって、アルムは魅力のある職場でありたいとした。

「業界を問わず、エンジニアにとっては『システムを作ること自体が楽しい』『自分が作ったシステムが多くの人に使われ、喜ばれると嬉しい』というのが、共通した根源だと思うんです。アルムは、今、医療・介護業界向けのビジネスに力を入れています。そして、その業界自体が、インターネットやモバイルという技術を活用して進化していこうとしています。アルムは、そこにインパクトを与え、スタンダードとなるものを作りたいという思いで、今、全社一丸になって取り組んでいます。この思いを共有できる人と、ぜひ一緒に仕事をしたいと考えています」(藤村氏)

アルムでは、同社プロダクトの海外展開にも注力しており、現在、北米、チリ、ブラジル、韓国に研究、開発、営業の拠点を持っている。今後は、欧州での展開も視野に入れているという。英語をはじめとする外国語でのコミュニケーションスキルを持つエンジニアにとっても、今後さらに活躍の場が広がる職場と言えそうだ。



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