Fringe81株式会社の開発現場に、Forkwell Jobsが潜入取材!

ITの最先端を突き進むFringe81、エンジニアに求めるのは「知的好奇心」(前編)

  • 2015-10-13 公開
  • 取材・執筆:森 英幸

広告技術を中心にインターネット事業を展開する「Fringe81」。インターネット広告の第一線で事業を拡大してきた同社だが、他分野への事業拡大のため、エンジニアチームの拡充を図っているという。同社の代表取締役社長 田中 弦氏(以下敬称略)に、今後のビジネス展開や先端技術を積極採用する理由、求めるエンジニア像について話を伺った。

技術者集団を養成する土壌として最初に選んだのが広告だった

広告事業のイメージが強い同社だが、田中氏は次のように説明する。

「現在の当社の収益はほぼ広告関連事業によるものですが、ここにとどまるつもりはありません。もともとFringe81は、私自身がインターネットが大好きで始めた会社。広告もインターネットの一部ですが、あくまでも一部。詳細はまだ明かせませんが、ここを足掛かりに他分野に事業領域を拡大していく計画を進めています。

例えば、出発点が『インターネット広告で儲けよう』ということなら、開発を外部に出すという選択もあったと思います。しかし、インターネットで新しいこと、面白いことを提供、発信する会社にしたいという思いが根底にあって、そのためには会社自体に技術力を蓄積していく必要があった。その技術者集団を養成する土壌として、最初に選んだのが広告だったわけです」(田中)

先端技術を積極採用し、技術的アドバンテージを確保

技術重視のFringe81では、サーバーサイドは関数型言語のScalaを、フロント開発にはJavaScriptフレームワークのReact.jsを全面採用している。Scalaは3年前、React.jsはすでに導入して半年が経過するなど採用時期はかなり早い。事例が少ない中での採用に不安はなかったのだろうか。

「技術の選定はCTOと現場に任せています。ただし、安定している枯れた技術とポテンシャルは高いが実績が少ない先端技術のどちらかを選択するというときは、先端技術を選びます。『えっ、本当に採用していいんですか?』とむしろ現場のほうがしり込みするぐらいに、”攻めの姿勢”です。

新しいもの好きのエンジニアが集まっているせいもありますが、新しくてより便利とか、より高性能とか、作っていて楽しめる環境でないとエンジニアのモチベーションが下がっていってしまうんですよ。当社にはSIerから転職してきたエンジニアも多いのですが、その中には毎回同じツールを使って同じパターンに落とし込んでというやり方に疑問を感じていたという人が多い。そういう思いをここで繰り返させたくないんです。もちろん、先端技術の採用にリスクがないわけではありませんが、そのリスクを負っていろいろなことにチャレンジできる環境を用意してあげるのが経営の役割。その許容度をどこまで示せるかというところで現場と勝負しているわけです」」(田中)

先端技術の積極採用には、エンジニアのモチベーション維持以外にも大きな理由がある。

「先端技術の採用には、技術的アドバンテージを得られるというメリットがあります。先日エンジニア陣と米国に出張した際、同時期に開催されていたIoTのカンファレンスに参加したのですが、すると、要素技術は広告とまったく変わらなかったんです。広告でもIoTでも、ストリーミング・データのリアルタイム処理をどう行うかというのが主要なテーマになっている。これは一例にすぎませんが、先端技術を追い続けていれば、どの分野でも通用する技術力が蓄積される。これは今後の事業拡大を図るうえでとても大きなメリットです」(田中)

重視するのは人間性、熱い思いをぶつけてほしい

Fringe81では、採用に際して4回以上の面接を行うのが通例になっているという。特徴的なのが、選考過程で「飲み会」が行われることだ。

「必ずではないのですが、一次、二次面接のあとに飲み会を行うことが多いですね。お酒の席でリラックスして話していると、面接では見られなかった応募者の熱い思いが飛び出してくることがあるんです。『本当はこういうことがやりたい』という本音ですね。時には、ディスカッションしていて本人すら自覚していなかった思いが出てくることもあります。

例えば、現在エンジニアチームの1人に、インフラもやるしコードも書くハイブリッド・エンジニアとして働いているスタッフがいます。彼はインフラ・エンジニアとして応募してきたのですが、その飲み会で『経験はないけど開発もやってみたい』とポロッと本音をこぼしたんです。面接のときは経験がないことをひけ目に感じて言えなかったと。そこで『いいじゃない、やりなよ』と背中を押してあげたことで現在の彼がある。採用時はインフラ専任でしたが、本人の努力もあって現在はハイブリッド・エンジニアとして頑張ってくれています。

このように、経験は浅いけど熱い思いがある、そういう人を採用するときに当社では『ガッツ枠』という言葉を使っています。人間的に魅力があって応援してやりたい、こんなときに「これはガッツ枠だな」と。もちろん現在持っているスキルや経験も重要ですが、ITの世界はめまぐるしく変わっていますから、自分のやりたいことに徹底的に情熱を傾けられる人でないと最先端を走り続けることはできないでしょう」(田中)

『最先端IT企業』でありながら『家族的なほっこりする会社』へ

Fringe81で田中氏は、どんなエンジニアチームを育てようとしているのだろうか。

「基本的にエンジニアは、成果を出していればあとは何をやっていてもいいと考えています。ただし、個人主義の集まりではダメで、それではチームとしての相乗効果が生まれない。お互いにリスペクトしあう、と言うとかっこつけすぎですが、社内の空気に家族的な『ほっこり』する感じを出したいと考えています。

例えば、当社には毎週の全社会議で行われる『発見大賞』というものがあります。これは、ほかのスタッフのいいところに気づいたらそれを発表するというもので、先日の会議では、あるデザイナーが『発見』されていました。デザイナーの彼はWebデザインの中身をよりきちんと理解するために、エンジニアに繰り返しJavaScriptのわからないところを質問していたそうです。『常に勉強する姿勢が素晴らしい』と、指摘された本人は少し恥ずかしそうでしたが、自分の努力を誰かが見ていてくれているというのはうれしいもの。また、それを見ていなかった人にも、彼がどんな人なのかがわかるという効果もあります。

せっかくやる気のある優秀なエンジニアを集めても、どんどん人が辞めていくような会社では技術が蓄積されません。ですから、『先端技術の追求』と『家族的で居心地が良い』というのは矛盾しないと思うのです。やりたいことにチャレンジできて、自分の才能を開花させることができる、そんな度量がこの会社にはあると自負しています。熱い思いを持っている人に門をたたいてもらいたいですね」(田中氏)

(後編)Fringe81の第一線で働くScalaエンジニア2名を加えた座談会。Scalaの魅力や理想的な働き方に迫ります

後編へ


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